社会人1〜2年目は、適応と消耗が重なりやすい時期
社会人1〜2年目は、これまで育ててきた土台を、実際の社会の中で使い始める時期です。
学生までの時間が「準備」だとすれば、この時期は、自分の判断や行動が現実の責任と結びつき始める最初の段階でもあります。
多くの場合、社会に出るということは、何らかの組織や仕組みの中で働くということです。
公務員であれば公的な役割を担う組織に属しますし、民間企業であれば、その企業の目的や事業の中で仕事をすることになります。
個人事業として始める場合でも、市場や契約、社会的なルールの中で動くことに変わりはありません。
そのため、社会人1〜2年目では、まずその場の基本的なルール、仕事の流れ、求められている役割を理解し、守ることが大切です。
これは、ただ従順になるという意味ではありません。
まずは、自分がいまどんな場にいて、何が前提として求められているのかを理解する、という意味です。
新しい環境に入ったばかりの段階で、自分の感覚だけで判断して動くと、仕事そのものではなく、場とのずれで消耗しやすくなります。
だから最初は、「自分を消す」のではなく、場のルールを観察し、理解し、基本を押さえることが重要になります。
ただし、「守ること」が壊れることにつながる場合がある
一方で、どんな組織でも守ればよいわけではありません。
そのルールや慣習が、明らかに人を傷つけたり、時代や倫理から外れていたりする場合があります。
たとえば、
• セクハラやパワハラが常態化している
• 不正が見過ごされている
• 残業代が支払われない
• 心身を壊すほどの働き方が当然とされている
こうした環境まで「守るべきもの」として受け入れてしまうと、仕事を覚える前に、自分の感覚や健康のほうが壊れてしまいます。
だからこそ、社会人1〜2年目に本当に必要なのは、
守ることと同時に、いまの環境は守るに値するものかを見極めることです。
「最初はみんな大変」で済ませると、本人も周囲も見失いやすい
働き始めたばかりの時期は、本人もまだ何が普通で、何が危険なのかを言語化しきれないことがあります。
疲れ、違和感、緊張、不安を抱えていても、「社会人なんだから」「最初はみんな大変だから」と自分で飲み込んでしまうことも少なくありません。
けれど、その負荷が
• 新しい環境に慣れるための負荷なのか
• すでに壊れ始めている兆候なのか
は、混ざりやすいものです。
この時期は、社会に適応する時期であると同時に、
「自分をすり減らしてまで合わせる必要があるのか」を見極め始める時期でもあります。
守ることは大切です。
ただし、守ることが自分を壊す方向に向かうなら、その環境や関わり方は見直す必要があります。
親の役割は、ただ励ますことではなく、見失わないための支えになること
社会に出た子どもに対して、親ができることは多くありません。
けれど、少ないからこそ大事な役割があります。
それは、
「頑張りなさい」と押すことではなく、何が起きているのかを見失わないための支えになることです。
社会人1〜2年目に必要なのは、
ただ頑張らせることではなく、
働く中で何を守り、何を見直すかを一緒に考えられる支えです。
では、実際に親は何を聞き、どこを見て、どのように関わればよいのでしょうか。
そこは、考え方だけでなく、具体的な見方と順序が必要になります。
