安全装置の外

どうすれば、初めての人に話しかけられるのか。

今日もダメだろうと予想している。
でも、いつか可能となる気もしている。

目の前に、いつかお客さんになりそうな人がいた。
スマホ、手帳、カバン、文具。
その人が所持している物から、生活や仕事、考え方の輪郭が少し見えた。

けれど、話しかけることはできない。

副案として、ネット上でもやってみてはどうかと思う。
現代の接点は、全てスマホの画面にある。
たしかに、画面の向こうにも人はいる。

でも、それは逃げているようで嫌だ。

目の前にいる人に触れられないまま、
ネット上の接点だけに逃げるのは、どこか違う。

必要なのは、勇気だけではない。
職業との掛け合わせ。
商売仕事として、対話する仕掛けが必要なのだと思う。

スタバの店員のように、仕事として会話する理由があれば、
初めての人との接触も普通にできる。

つまり、自分はいま入口に突っ立っている。

ライブなどのイベント。
無料路上ライブ。
新橋で名刺交換。
理由が必要なインタビュー。

話しかけるには、理由が必要なのだと思う。
それはまるで、ウインクで読んだ老婆のようでもある。

安全装置の外へ。

初めての人に話しかけること。
赤の他人の反応に触れること。
目の前にいる人との接点を、現実の中でつくること。

いま必要なのは、
話しかけられる自分になることではなく、
話しかけても自然な理由と役割を持つことなのかもしれない。

初めての人に話しかけられないのは、勇気がないからだけではない。
理由なしに他人へ接触することが、自分の中で不自然だからだ。
だから、スマホ・手帳・カバン・文具のような物、インタビュー、イベント、仕事、商売、店員のような役割を使って、他人と接触してよい入口を作る必要がある。
ネットでもできるが、それだけでは逃げている感じが残る。
必要なのは、安全装置の外へ出て、赤の他人の反応を身体で受けること。

目の前に、いつかお客さんになりそうな人がいた。
スマホ、手帳、カバン、文具。
持ち物や雰囲気から、その人の生活や仕事の輪郭が少し見えた。
ネット上で接点を作ることもできる。
現代の接点は、たしかにスマホの画面に集まっている。
けれど、目の前の人に触れられないまま画面に逃げるのは、どこか違う。
必要なのは、勇気だけではなく、話しかけても自然な理由。
職業として、商売として、インタビューとして、イベントとして、他人と接触できる仕掛け。
いま自分は、入口に突っ立っている。
安全装置の外へ出るタイミングに来ている。

目次