千葉市の創業者研修の資料を見返していて、起業構想に使えそうだと思ったのは、細かいマーケティング手法そのものよりも、**「自分の中にある構想を、他人と共有できる前提に変えていくこと」**だった。
資料では、3C分析、ターゲット設定、顧客インタビュー、競合分析、ポジショニング、USP、SWOT、4P、価格設定、販路、ネット集客、創業計画書、売上計画、損益分岐点、プレゼンまでが扱われていた。
一見すると、起業に必要な一般的なフレームワークの一覧に見える。
でも、自分のメモとして残したいのは、そこではない。
一番引っかかったのは、最初のページに書いていた 「共有する前提が大事」 というメモだった。
起業構想で止まるときは、商品名やサービス名が決まらないから止まっているだけではない。
むしろ、頭の中ではつながっているつもりのものが、他人に渡したときにはまだ共有できる形になっていない。
誰に向けているのか。
何を解決するのか。
なぜそれを自分がやるのか。
他のサービスと何が違うのか。
相手はどの段階で必要と感じるのか。
どうやって知ってもらい、どうやって申し込んでもらい、どう続いていくのか。
このあたりが整理されていないと、起業構想は「やりたいこと」ではあっても、まだ事業にはなっていない。
資料の中では、顧客・競合・自社を分けて見る3C分析、理想のお客さんを一人まで具体化するペルソナ設定、顧客の声を聞くインタビュー、競合との差別化、USPの整理が出てくる。
ここで大事なのは、フレームワークを埋めることではなく、自分の構想が、誰かにとって本当に必要なものとして見えているかを確認することだと思った。
自分の場合、起業構想で扱いたいのは、単なる開業ノウハウではない。
「何かを始めたいけれど、まだ自分の経験や違和感を事業の形にできていない人」が、頭の中にあるものを整理して、他人に渡せる形にしていくこと。
その意味では、資料に出てくる「USP」と「コンセプト」はかなり重要だった。
USPは、他と違う強み。
コンセプトは、相手が感じる意味や価値。
この2つがズレていると、本人は良いことをしているつもりでも、相手には何を選べばいいのか分からない。
逆に、USPだけを強くすると、売り文句は立つかもしれないが、なぜそれをやるのかが薄くなる。
自分が起業構想で見たいのは、たぶんこの間にある。
「何が売れるか」だけではなく、
「なぜそれを自分がやるのか」だけでもなく、
相手に必要な価値として、どこまで形にできているか。
もう一つ残したいのは、ビジネスモデルの図にあった、新規客・既存客・ファンの流れだった。
手書きでも「紹介」「次回」「ファン」のような言葉が入っていた。
これは、売上を一回の販売で終わらせるのではなく、相手との関係が続く形として見るということだと思う。
SK研究室で考えるなら、いきなり高い商品を売るというより、
自分メモ棚で考え方や観察を置く
↓
テーマ記事で読者のモヤモヤと接続する
↓
必要な人がSKLESSONやSK相談に進む
↓
さらに深く必要な人だけがSKCONSULに進む
という流れに近い。
このとき大事なのは、誘導を強くすることではなく、相手が自分の状態に合わせて選べる棚を用意することだと思った。
資料には、売上を「客単価 × 客数 × 営業日数」や「客数 × 平均リピート回数」として見る考え方も出てくる。
これも、ただ売上を増やす話ではなく、起業構想ではかなり現実的な確認になる。
自分が忙しくなりすぎる形では続かない。
一回ごとの対応が重すぎると、売上が増えても仕組みにならない。
逆に、軽く置けるもの、繰り返し使えるもの、必要な人だけ深く進めるものを分けておくと、事業として考えやすくなる。
この資料を、自分の起業構想にそのまま当てはめるなら、今すぐやるべきことは大きな事業計画書を完成させることではない。
まずは、自分の頭の中にある構想を、次のように分けて置くことだと思う。
誰に向けているのか。
その人は何に困っているのか。
自分は何を渡せるのか。
他と何が違うのか。
無料で読めるものは何か。
有料で整理するものは何か。
繰り返し使える形にできるものは何か。
一対一でしか扱えない重い部分はどこか。
起業構想は、夢を大きく語る段階と、数字に落とす段階の間に、かなり大事な工程がある。
それは、自分の中ではつながっているものを、他人にも見える構造にすること。
今回の資料は、そのためのチェック道具として使えそうだと思った。
特に、SK研究室の「起業構想」では、起業を急がせるよりも、
考えを外に出す
顧客の声に触れる
競合と比べる
自分の強みを言葉にする
売上の形を分解する
無理なく続く形を考える
この順番を大切にしたい。
起業構想とは、いきなり事業者になることではなく、
自分の経験・違和感・できることを、他人に渡せる形へ整えていく過程なのだと思う。
